夜遅くまでゲームをする子供には、どう注意すればいいのか。人材育成コンサルタントの嶋津良智さんは「『いい加減にしなさい!』などと言っても子供には伝わらない。具体的な数字や動詞を使いながら、『伝える→体験→振り返る』の順で理解度を確認するといい」という――。

※本稿は、嶋津良智『話し方の一流、二流、三流』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

ゲームコントローラーを手に持つ子を叱る母親
写真=iStock.com/takasuu
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便利だけど曖昧な言葉に頼ってはいけない

伝わらないコミュニケーションでしばしば使いがちな道具=言葉が、便利な曖昧な言葉です。あなたも便利な曖昧な言葉を使っていませんか?

「コミュニケーションをしっかりとっていこう」
「きちんと確認してミスを防ごう」
「責任をもった行動を」
「ちゃんと強化する」
「早くして」
「もっと丁寧に」

まだまだありますが、このあたりでやめておきましょう。私もついつい使ってしまうこうした便利な曖昧な言葉ですが、こうした言葉に頼りきってしまうと、人を動かせるコミュニケーションがとれなくなってしまいます。

「しっかり」や「きちんと」とは具体的にどのような程度なのでしょう。「責任ある行動」とはどんな行動でしょう。「ちゃんとした」「強化」とは、何をどのようにどの程度、行うことなのでしょう。「早く」とはいつまでに? それともどのようなスピードで? 「もっと」とはどれくらい? どういうことを「丁寧」というの? すべて、人によって、あるいは会社や家庭によって、まったく違う答えが返ってきそうですね。つまり、便利な曖昧な言葉とは、正確な情報が折り込まれていないので、ミスやトラブルを招く原因になるのです。