相手との信頼関係を構築するにはどうすればいいか。組織人事コンサルタントの小倉広さんは「信頼の基本法則はシンプルだが実行するのは難しい。テレビドラマにもなった『下町ロケット』の町工場・植松電機社長の子どもたちへの指導は非常に参考になる」という――。

※本稿は、小倉広『常勝チームの鬼100則』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

書類を手に責任を追及する上司とうなだれるビジネスマン
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信頼獲得はシンプルだけど実行するのが難しい

リンゴを手から離すと自然と落下していく万有引力の法則のように、人と人との信頼関係にも自然の法則が働いています。昔も今もそして未来も。北海道でも九州でも。

変わらず作用するこの自然の法則をチームのルールとして共有するのは、とても有意義なことなのです。

「信頼の基本法則」。シンプルだがパワフルなこの法則をぜひあなたのチームでも共有していただきたいと思います。

この法則は、大きく分けて次の3つから成り立っています。

1つ目は「相手を大切にする」ということ。

自分の都合を優先するのではなく、目の前の相手の立場を優先する。そうすることで信頼を獲得することができ、逆を行えば信頼を失うというわかりやすい法則です。

2つ目の法則は「自分を指さす」というもの。

問題の原因を自分以外に求め相手を変えることで問題を解決しようとするアプローチを「相手を指さす」と言います。

そしてその逆である、問題の原因を自分の中に求め自分を変えることで問題を解決しようとするアプローチを「自分を指さす」と言います。

「自分を指さす」人は相手から信頼され、「相手を指さす」人は相手から信頼を失っていくのです。

3つ目の法則は「誠実である」というもの。

嘘偽りがなく私利私欲がない状態が「誠実である」ということ。言行一致で嘘をつかない。

約束を守り自慢やひけらかしをしない人は相手から信頼され、その逆ばかりを行っている人は信頼を失うというものです。

「信頼の基本法則」の内容は聞けば誰もが納得し、そんなことは知っているよ、というものばかり。しかし、言うとやるとは大違い。

単純だが行うのは難しいこの法則を信じて行動していけば、メンバーから信頼されるリーダーに近づくことができるでしょう。

そして、この法則を共有することで強いチームをつくることができます。

あなたのチームでもこれを合言葉にしてはいかがでしょうか。