込み入ったことや話にくいことを、わかりやすく伝えるにはどうすればいいか。人材育成コンサルタントの嶋津良智さんは「あえて言葉に出して『結論から言うと……』と話し始めることだ。続けて理由、具体例の順に説明し、最後に結論をもう一度話すと、要領よく話を進めやすくなる」という――。

※本稿は、嶋津良智『話し方の一流、二流、三流』(明日香出版)の一部を再編集したものです。

カフェに座っている女性と男性
写真=iStock.com/fizkes
※写真はイメージです

話のメインディッシュを最初に伝え、何度も繰り返す

・ウエイト
三流は、思いついた順に話し、
二流は、強弱を考えずに話し、
一流は、どこにウエイトを置く?

話を構成するときは、最初と最後に話のウエイトを置きます。

なぜなら、初頭効果とクライマックス効果という、心理学的効果を活用するためです。

初頭効果とは、最初に与えられた情報ほど影響を与えるというもので、アンチクライマックス効果ともいいます。相手の関心が低い場合や、相手はあまり乗り気ではないけれどあなたには話すべきことがあるような場合に、効果を発揮します。

例えば、自分の意思ではなく、会社の指示で受けている社員研修をイメージしてください。研修の前は

「めんどくさいな、今日は一日、研修を受けなきゃいけないのか」

と思っていても、最初にインパクトのある話を聞いて、

「おっ! 今日の研修はいつもとは違うぞ!」
「今日はいい話を聞けそうだ」

と、興味を惹きつけられることがあります。

同じように、企画会議のような場合でも、最初にインパクトを受けると、

「この企画は期待できそうだぞ」
「おもしろそうな商品だな」

と興味を持ち、その後の話も聞きたくなるものです。

つまり、話のメインディッシュを最初に伝え、話の間中、何度も繰り返すことで、聞き手の関心を惹きつけるのです。