最後にインパクトのある話が聞き手の満足感を上げる

クライマックス効果は、親近効果ともいいます。つまりは「おわりよければすべてよし」ということ。

人は、最後に聞いたことが印象に残るものです。ですから、聞き手が最後に聞いたことで満足感を得ると、その高揚感や満足感を維持することになります。

クライマックス効果は、聞き手の関心が高く、最後まで熱心に話を聴いてくれる場合に、特に効果を発揮します。

例えば、受講生が自分で受講料を支払って参加する研修や、自分で聴きたいことを質問してきたときなどは、

「必ず何か役に立つことを聴こう」

という気持ちで臨んでいますので、最後まで意欲的です。

そうした場合に、最後にインパクトのある話をすると、「いい話を聴けてよかったな」という満足感に満たされる効果が強まるのです。

さらに、最初に聞き手の関心を惹きつけ、最後にもう一度、関心の強い内容を繰り返して、初頭効果とクライマックス効果の併用で、聞き手の満足度を上げることもできます。

聞き手の感情を想像して、話のウエイトをどこに置くのかを考えて話せば、聞き手の満足感を引き上げることができるのです。

一流は、最初と最後を考える
どこに話のウエイトを置くかを考えて、話し方を構成する

「結論から話す」と必要な行動を引き出しやすくなる

・話の順序
三流は、感覚で話し、
二流は、最初から全部話し、
一流は、どこから話す?

ちょっと込み入ったことや、話しにくいことを話す時、あなたはどうやって話し始めますか? なんだか回りくどくなってしまうな、と感じることも多いはずです。時には、「自分って話が下手なんじゃないか」、と思うこともありますよね。

私もそうです。ついいろいろなことを話したくなって、横道にそれてしまったり、あるいは回りくどくなるときがあります。

そこで、うまく話がまとまらない予感があるときには、結論から話すように意識しています。あえて言葉に出して「結論から言うと……」と、始めることもあります。そういう話し方をするほうが、必要な行動を引き出しやすくなることが多いからです。

結論から話すというのは、「PREP法」というトークスキルの一つです。最初にP(Point)=ポイントや結論を話し、次はR(Reason)=理由、E(Example)=事例、具体例の順に説明し、最後にP(Point)=結論をもう一度話す。要領よく話を進めやすくなります。

「私は○○だと思うよ」(結論)
「なぜなら○○だからだよ」(理由)
「例えば、○○ということがあるよね」(事例、具体例)
「だから私は○○だと思うよ」(結論)

破れた紙の下に書かれた結論。
写真=iStock.com/1001Love
※写真はイメージです

また、新聞記事のように話す方法もあります。新聞記事の内容は、ほとんどが、タイトル(結論)、リード(要約)、記事本文(詳細情報)の順で構成されています。

例えば、

「タンカーが沈んだらしいんだよね」(結論)
「テロで大騒ぎになっているらしいよ」(要約)
「そのタンカーは3日前に○○の港を出発して、沈んだのは○○の海で、テロによる爆発で、こんな風に沈んだのを○○の国の機関が確認したそうだよ」(詳細情報)

と話せば、回りくどさを避けられます。