メタボの人は高尿酸血症のリスクが高い
高尿酸血症の最も重要な危険因子はメタボです。内臓脂肪が蓄積していると、尿酸の前駆物質であるヒポキサンチンがキサンチンに代謝され、さらに尿酸へ変換される経路が活発になることが明らかになってきています。
さらに、メタボの状態にあって高インスリン血症の状態になると、腎臓の糸球体でいったん捨てたはずの尿酸の再吸収が進み、結果として尿酸の排泄量を減らしてしまうのです。
つまり、内臓脂肪が蓄積していると、尿酸の産生が活発になるのと同時に尿酸の排出量が減り、高尿酸血症になるわけです。さらに、慢性腎臓病の発症率も高くなります。
痛風発作の有無にかかわらず、とにかく尿酸値が6.0mg/dLを超えないように注意することが大切なのです。
鶏レバーや白子はプリン体が「極めて多い」
尿酸は、細胞の核の中にある核酸の主成分「プリン体」が分解されてできる老廃物です。古くなった細胞を分解する新陳代謝の過程で、細胞の中に含まれるプリン体を材料にしてつくられます。
筋肉痛が起きるくらいの激しい筋トレをすると、筋肉の細胞が壊れます。すると細胞の老廃物である尿酸が増えます。もしかするとボディビルダーには高尿酸血症の人が多いかもしれません。女性は筋肉量が少ないので男性に比べて尿酸値が低く、そのため痛風患者の9割以上は男性です。現在の検査結果の基準値は男女とも同じになっていますが、女性で6.0mg/dLを超えていたら少し高めだといえます。
ご存じの通り、食品にもプリン体が含まれています。プリン体を含む食品を食べると、それを材料にして肝臓で尿酸が合成されます。つまり尿酸は、「細胞のリサイクル」と「食品由来」という2つの経路からつくられるのです。
プリン体は、細胞がぎっしり詰まっている食品に多く含まれます(図表1)。レバーなどのモツ類、干物などですね。「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」第3版では、高尿酸血症の人はプリン体の1日の摂取量を400mg程度に抑えるように推奨しています。