コストをかけないビジネスを意識しよう
個人のビジネスで大事な点は、リスクをできる限り最小限に抑えてスタートすることです。再起不能な大損をこいた、ということになっては、私のような者には家庭崩壊につながりかねないですからね。そこで、重要なポイントを抜粋してご紹介します。
オフィスを借りない
業種業態にもよりますが、最初はできるだけ自宅や安価なシェアオフィスからのスタートがいいと思います。
なぜなら、オフィスは基本的に収益を生まないからです。売上が見えるまでは、家賃という毎月の固定費がかかるリスクは避けたい。そこで、打ち合わせはカフェやホルのラウンジを使う。必要ならば、今は格安なレンタル会議室が数多くあるので、それを利用すればいいだけ。
顧客や取引先の信用が落ちるのでは? と不安になるかもしれませんが、自宅マンションの一室でエステサロンを開業している人も多く、それでも儲かっている人もいるので、気にする必要はないでしょう。
人を雇わない
人を雇うと、アルバイトなら時給が、社員なら給与と社会保険料が、そして交通費などが、成果や売上とはなんの関係もなくかかってきます。
当然、マネジメントしなければならないし、勤務場所も確保しなければならないかもしれない。私の知人には「従業員にお金を持ち逃げされた」という人がいて、こんな心配もしたくないですよね。
だから基本は雇わないで自分一人でスタートする。従業員を雇うのは、こうした負担よりもメリットのほうが大きいと感じるようになってからがよいでしょう。
借金をしない
いきなり借金はしないで、全額自己資金でスタートすることです。
理由は簡単で、事業がうまくいっているときは問題ないですが、そうでないときは非常に苦しくなるからです。
借金をすると、仮にうまくいかなかったとき、事業をやめてもコツコツと返済していくか自己破産申請などをしなければ、借金はなくなりません。これは自分を縛る足かせになります。でも借金がなければ、やめても単なるゼロですから、またすぐに再起できます。確かに自己資金だけでは、やれることは限られますが、資金繰りを気にせずじっくりと事業に専念できます。
また、同じ理由で、出資なども受け入れないほうがよいでしょう。誰かにお金を出してもらうと、出資者という他人の指図を受けることになるからです。これでは自由と逆行してしまいます。
在庫を持たない
在庫とは、お金を払って仕入れた商品のことです。だから売れるまでは資金が寝ている状態で、もし売れ残れば不良在庫となり、資金を失うことと同じです。
さらに保管場所を必要としますから、たとえば別に倉庫を借りようとすれば、賃借料もかかります。なくなったり破損・汚損しないよう在庫管理も必要でしょう。これも負担になる。
そこで最初は、無在庫でできるビジネスをやるか、在庫リスクをなくす方法を考えたほうがよいでしょう。
たとえば注文を受けてから商品を作る、受注生産方式にするとか、データで管理・販売できる商品にするとか。
事務用品を最初から揃えない
自宅兼オフィスで、たとえば私がやっているようなコンサルティングやマッチングビジネスであれば、名刺と複合機1台あれば十分。そして、本当に必要になってからひとつずつ買えばいいでしょう。
FAX・スキャナー・プリンターが一体になった複合機は、安いものなら2万円程度で買えます。大量の印刷物があれば、格安印刷業者がたくさんいますしね。電話も固定電話はやめて個人の携帯電話でOK。ネット主体のビジネスなら、やりとりは基本的にメールなので、まったく問題ありません。業種業態にもよりますが、オフィス同様、ツールそのものも収益を生まないのですから。
法人を作らない
起業するとは法人を作ること、と考えている人もいるかもしれませんが、法人設立と事業の成否とは、基本的に何ら関係がありません。法人はただの器です。
それに昔と比べれば、個人とは取引しないという企業は少なく、個人客も気にしない人が多いので、あえて法人を作る必要性はありません。何かをやりたいときに、個人でもできるなら個人でいいし、会社組織のほうが目的達成により合理的ならば法人を作ればいいだけです。
ちなみに株式会社を作るには約25万円くらい、一般社団法人で約18万円くらい(1円起業など資本金をほとんど入れない場合)かかります。
決算申告を税理士に依頼すると約10万円前後、さらに利益がゼロでも法人住民税が年間約7万円ほどかかります。最初はこんな固定費もかからないほうがよいですから、法人設立にこだわる必要はありません。
気になる人は、ただ名乗ればいいだけの「屋号」で十分です。たとえば「スバル」ブランドで自動車を作っている会社は富士重工業、「ユニクロ」を展開するのはファーストリテイリングというように、屋号やブランド名で通用させることはそう難しくありません。
以上のように、副業は思ったよりも気楽にはじめることができます。ぜひ、ご自身の特技を生かし、副業にチャレンジしてみてください。