成功するにはどうすればいいのか。元プロ野球選手でビジネスコーチの高森勇旗さんは「自分は成功できるという自己認識を持っていることが重要だ。たとえば、お金持ちになりたいなら、『私は稼ぐのが得意だ』と宣言してしまうといい」という――。

※本稿は、高森 勇旗『降伏論「できない自分」を受け入れる』(日経BP)の一部を再編集したものです。

プライベートジェットの窓から外を眺める男性
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現在の行動は「未来の目的」から引き起こされている

「自分が成功することを、許せ。お前は、自分が成功することを許していない」

自己を変革するために言葉を変え、行動を変え、あらゆるストレスを引き受けているにもかかわらず、一向に成果が出ない日々が続いていた。これはそんな時「電車に乗るな」と言った経営者からいただいた言葉である。

「自分が成功することを許していない」とは、一体どういう意味なのか。その言葉を理解するには、少し時間が必要だった。

心理学者のアルフレッド・アドラーは、「目的論」を強く説いている。現在の行動は過去の原因からではなく、未来の目的から引き起こされている、という考え方だ。

例えば、“引きこもり”は、過去に人との交流によって受けた自分のトラウマが原因となって起きていると解釈するのではなく、「人と会いたくない」という目的を達成するために、“引きこもり”という症状をつくり出している、といった具合である。

自らが潜在的に、本質的に望んでいる方向に、無意識に行動は引き起こされる。そしてその行動が、結果を引き寄せる。言い換えるならば、現在目の前で起こっている結果はすべて、自分が望んだ通りの結果ということだ。