「行動」より前にあるもの

行動を起こしたことが、結果となる。

しかし、行動はいつもあなた自身から生まれる。どんなあなたが行動を起こすかは、実は結果に大きな影響を与える。無論結果を引き寄せるためには、行動しなければならない。

行動の方に意識が向きすぎて、自分自身がどう“在る”かに注意を払う人は少ない。自らがどんな行動を起こすかではなく、その行動を起こすあなた自身は、“誰”なのか。どう在るのか。

そこが、実は成果を分ける。

洗面台の鏡に映る自分を見つめる男性
写真=iStock.com/Charday Penn
※写真はイメージです

何をするか誓っているのではダメ

初詣に行き、神様の前で「今年こそ○○にチャレンジします!」といったように、“何をするか”を誓う人は多い。しかし、「今年こそチャレンジャーでいます」という、自分がどう在るかを誓う人は少ない。英語で表現するところの、Doing(行動)領域は、我々が最も意識しやすく、そして多用されている言葉だ。

I challenge ~~~~ .
私は~~~~にチャレンジします。

これが、一般的に多用されているDo動詞の文章で、

I am a challenger.
私はチャレンジャーです。

これが、Be動詞の文章である。

Do動詞は、常にこれから起こすことを表現している。前述したように、「もっと稼ぐ」という表現は、いま稼いでいない人が“これから”稼ぐという世界観だ。

つまり深層心理では、“いま稼いでいない自分”を認めている。稼いでいない自分、極論で言うと、貧乏な自分がこれから稼ぐために行動を起こすというわけだ。

残念ながら、このマインドでは結果を引き寄せられない。自分の潜在意識が選んでいる、ベースとなっている在り方は、I am poor(私は貧乏で在る)だ。こういう人から生まれてくる行動(Doing)は、結果として貧乏(poor)を引き寄せる。

前述したように、「〜にチャレンジします!」と言っている人はどういう人かというと、現在チャレンジをしていない人である。Being(在り方)に注目し、I am a challenger(私はチャレンジャーで在る)と言っている人から生まれる行動(Doing)は、必然的にチャレンジングな行動だ。行動を起こすその人のBeing(在り方)が、すでにチャレンジャーだからだ。

行動だけでは、結果に到達できない。肝心な行動はあなた自身から生まれてくるのだから、あなた自身がどう在るかに、もっと注意を払わなければならない。