貯金を増やすにはどうすればいいのか。FP相談サービス執行役員の佐藤健太さんは「無駄な支出を減らすのがいちばんだろう。例えば、コンビニ通いは控えたほうがいい」という――。(第1回)

※本稿は、佐藤健太『何歳からでも間に合う初めての投資術』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。

ブタの貯金箱とコイン
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老後資金を蓄えるためにやるべき「節約」

老後資金を蓄えるための手段は、まだまだあります。しかも、「タワマン売却」といった大口のものでなく、まさに「チリも積もれば山となる」式に生活に余裕をもたらすポイントをご紹介します。

「節約」です。「なーんだ、節約ならもうさんざんやってるよ」という方もいるかもしれません。

特に2022年は、不安定な世界情勢を背景に米国や英国などで急激な物価上昇を記録し、中央銀行がインフレ退治に躍起となる姿が目立ちました。日本でも物価高・資源高が深刻化し、電気代やガス代が前年に比べ2割以上も上昇、日々の生活において「節約」を意識した人は多いでしょう。

使っていない部屋の電気は消す、風呂の追い焚き回数は最小限にする、エアコン設定温度をいつもより抑える――。日頃から涙ぐましい努力をする人はいますが、生活する以上は最低限のコストがかかります。

また、「やってるつもり」でも、一方で無駄な支出を気づかぬうちに増やして、節約分を食ってしまっている、ということも。

インフレに対抗するためには、収入を増やすか、支出を削るか、この2つしか方法はありません。

では、具体的に何を、どのように「節約」すべきなのでしょうか。そこまでの努力をせずとも、毎月の支出を抑制できる方法をお伝えしましょう。

さっさと固定電話は解約すべき

個人のスマホ保有率が7割超となる今日、自宅にある固定電話をほとんど使用しない人もいるのではないでしょうか。固定電話の利用状況は年々減少しており、2017年に70.6%と7割を超えていましたが、2020年は68.1%にまで下がっています。

ほぼ使っていなくても当然、コストはかかり続けます。総務省の「情報通信白書」(2021年版)によると、固定電話の年間料金は平均1万7633円です。通話料金もかさむでしょう。固定電話とインターネットを併用する場合は「IP電話」(インターネットを通じた電話サービス)を利用すれば、月々の基本料金を抑えられます。固定電話の解約や見直しを考えた方がいいかもしれません。