「節約」最大の敵はコンビニ

日々の生活で、「節約」の最大の敵は何かと言えば、実はコンビニです。

とにかく便利なコンビニ。かつては若者の姿が目立っていましたが、今は高齢者の利用者が増加しています。コンビニ業界はシニアをターゲットにする時代に入り、激しい高齢者獲得競争を展開しています。しかし、コンビニの利用頻度が高くなっていけば老後生活を圧迫する要因にもなりかねないため注意も必要です。

コンビニの店内
写真=iStock.com/Vorawich-Boonseng
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「これは今夜の夕食。それは明日の分だよ」。横浜市のコンビニで総菜や弁当をレジカウンターに置くのは、近所で一人暮らしをする70代女性。両手からあふれそうになるほど商品を持ち、顔見知りとなったアルバイト店員と会話を交わしています。電子レンジで弁当を温めている間に小銭入れから硬貨を取り出し、「それじゃあ、明日も来るよ」とビニール袋を手に帰って行きました。

こうした光景を目にしたのは1度や2度ではありません。皆さんもあるのではないでしょうか。独居シニアが増えている今、こうした状況が全国のコンビニで見られています。

来店客の半分が50歳以上

業界首位の「セブン‐イレブン」の来店客を見ても、かつては20代以下の若者利用者が6割程度に上っていましたが、最近は約2割にまで減少していることが分かります。若年層のコンビニ離れが進む一方で、50歳以上は5割程度に増加しました。人口の高齢化を考えれば、中でも65歳以上のシニアが急増していると考えられます。

その背景には、情報感度が高いといわれる若者がネット通販やディスカウントストアに向き、単身世帯が約3割を占めるシニアは身近にあるコンビニを利用するようになったとみられています。

コンビニはもともと、総菜や菓子類などが小分けされている点など一人暮らしの人とマッチしており、わざわざ商店街まで出向いたり、混雑するスーパーで並んだりする必要がないことも高齢者にとっては利用する動機になります。

足腰が弱くなり、早朝から動き出すことが多いシニアには24時間営業の店が身近にある点は使い勝手が良いのでしょう。1989年に来店客の約6割を占めていた20代以下も今や50~60代。利用者の高齢化は進む一方です。