「スラッシュリーディング」で英文を速く読む
ここからは、英文を読むための基本戦略となる「スラッシュリーディング」を説明します。
問題文を読む際は、きれいな日本語に訳してはいけません。
英語と日本語は語順がまったく異なるので、きれいな日本語に訳しながら読もうとすると、どうしても後ろから前に返り読みをしなくてはならなくなり、余計な時間がかかってしまいます。わかりやすいように、次に、「日本語の語順に直して理解する」パターンと、「英語の語順のまま理解する」パターンを紹介します。英文の内容は、ホテルの客室に書かれている文言です。
どちらのほうが速く読めるでしょうか。
例 If you wish towels to be replaced during room cleaning, please place used towels on the bathroom floor.
「日本語の語順に直して理解する」パターン
訳 もしあなたが部屋の清掃中にタオルの交換を望むのであれば、バスルームの床に使用済みのタオルを置いておいてください。
このようなきれいな日本語に訳して理解した場合、英文を以下の順序で読むことになります。
① If you / ⑤ wish / ③ towels / ④ to be replaced / ② during room cleaning, / ⑧ please place / ⑦ used towels / ⑥ on the bathroom floor.
この読み方だと、英文を左から右に読み、また左に戻るというのを繰り返すため、すでに読む必要のない部分の上に複数回にわたって視線をやる必要が出てきてしまいます。
「英語の語順のまま理解する」パターン
例 もしあなたが / 望むなら / タオルの / 交換を / 部屋の清掃中に / 置いておいてください / 使用済みのタオルを / バスルームの床に
英語の語順のまま理解したため、英文を以下の順序で読むことになります。
① If you / ② wish / ③ towels / ④ to be replaced / ⑤ during room cleaning, / ⑥ please place / ⑦ used towels / ⑧ on the bathroom floor.
英文を左から右へと一方通行で理解することができるため、返り読みを避けることができます。同時に「きれいな日本語訳を作ろう」という作業もしなくてよくなるため、よりスピーディーに英文を読解することができるようになります。
スラッシュリーディングができるようになると、リスニング力も格段にアップします。なぜなら、リスニングは英語を語順通りに理解する必要があるので、まさにスラッシュリーディングと同じことをリスニングでは行っているからです。
リスニングの読解力を伸ばすためにも、ぜひスラッシュリーディングを身につけてください。