旧統一教会はこれからどうなるのか。ジャーナリストの鈴木エイトさんは「解散請求命令はできない、という観測も流れているが、たとえ解散命令が出たとしても教団の活動は続く恐れがある。日本の政治家は、教団を守るのではなく、徹底的に戦うべきだ」という――。

「旧統一教会への解散命令請求」いよいよ正念場

世界平和統一家庭連合(旧統一教会、以下同)との戦いがいよいよ正念場を迎えている。

文化庁は昨年11月以来、計6回の質問権を行使している。

これは宗教法人法に基づく措置で、質問の結果、宗教法人の法令違反などが確認され、「著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」と判断された場合、裁判所に宗教法人の解散命令を請求することになる。

岸田政権は当初、「法令違反に該当するかどうかハードルが高い」と及び腰だったが、昨年10月に「民法の不法行為も含む」と方針転換し、一気に解散命令請求の動きが進んだ。

ハードル
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「法令違反に該当するかどうかハードルが高い」と及び腰だった(※写真はイメージです)

「解散命令請求はできない」説も流れる

旧統一教会が追い詰められていると見える一方、ここに来て「解散命令請求はできない」という観測も流れている。

週刊文春(文春オンライン)は4月26日付で「統一教会の解散命令請求は困難な情勢 文化庁事務方トップは『全く見通しが立っていない』」という記事を掲載。事実上、解散命令請求は困難な情勢にあるとの見解を報じた。

また毎日新聞は6月12日付で「旧統一教会の解散命令請求『手詰まり』 強制力ない調査、長期化」という記事を掲載。「解散を認めさせる証拠が積み上がらず、調査が長期化」と報じている。

しかし、さまざまな情報から、私はまったく別の印象を持っている。

文化庁は着々と準備を進めており、早ければ夏にも旧統一教会への解散命令請求がなされるはずだと考えている。