政治家も表立って教団を助ける動きはできない
中にはいまでも教団とつながっている政治家もいるかもしれないが、このような状況では、旧統一教会と関係を持ってきた政治家たちも、表立って教団を助ける動きはできない。
政治家が解散命令請求を妨げるような動きを見せれば、たちまち厳しい批判にさらされ、次の選挙で落選することも考えられる。そのリスクを冒してまで政治家が動くとは考えにくい。
政治家の圧力がなければ、文化庁は解散命令請求へ進めていくはずだ。
実際、野党ヒアリングにおいて、文化庁側は政治家の影響はないときっぱり否定している。
一番いいのは「解散命令請求の後の衆院解散」
2つ目の理由は、「解散・総選挙のタイミング」だ。
岸田首相はもともと「広島サミットまでは首相を続ける」と周囲に語っていたとされるが、節目となるサミットを乗り切ったことで、長期政権の可能性も見えてきた。そうなるといずれは衆議院解散に踏み切るのではないか、とみられている。
「通常国会の会期末で解散するのでは」という観測も流れたが、今回は見送られた模様だ。
岸田首相自身は「現時点では解散の日程は考えていない」と語っているが、もし今後解散に踏み切る場合、旧統一教会への解散命令請求のタイミングが問題になる。
旧統一教会との関係を疑われている自民党にとって、一番いいのは、解散命令請求の後のタイミングで衆議院を解散することだ。
そうなれば自民党として旧統一教会との関係を清算した、という体で選挙戦を戦うことができるため、最も有利だと考えられる。
逆に、解散命令請求が出ていないうちに選挙に突入すれば、旧統一教会との関係を噂される議員は、不利な材料を抱えながら選挙を戦うことになる。