統一地方選でも自民党候補の陣営に旧統一教会関係者がいた
また、スキャンダルの芽を摘むというメリットもある。
解散命令請求の前に衆議院を解散し、仮に自民党が勝ったとしても、新内閣に旧統一教会と関係のある議員が交じっていれば、スキャンダルとなり、辞任ドミノも予想されるからだ。
もちろん、自民党が本当に旧統一教会との関係を絶とうとしているかどうかは疑問だ。
昨年9月に自民党が公表した「点検結果」を見る限り、そうは思えない。
4月に行われた統一地方選において、自民党候補の陣営に旧統一教会関係者がいたことを確認している。
自民党としてはおそらく、問題の飛び火を恐れる大物政治家に配慮し、徹底的な対策を取れないままなのだろう。
解散命令請求は「支持率浮上の材料」
ただ、そうした思惑とは別に、岸田首相が旧統一教会問題の「解決」を支持率上昇の材料と考える可能性は高いだろう。
そもそも解散命令請求へと一気に進んだのは、岸田首相が「民事の不法行為も該当」と方針転換したからだが、その背景には昨年10月ごろ旧統一教会問題をうけて支持率が低迷していたことがあった。
それらを総合して考えると、少なくとも岸田政権は、このまま解散命令請求の手続きを進める可能性が高いだろう。
衆議院解散を秋以降と考えるなら、解散命令請求はその前、夏くらいとみるのが妥当ではないか。