人事異動の要点とはなにか。経営コンサルティングを行う武蔵野の小山昇社長は「人事異動にはコツがある。例えば優秀な社員を頻繁に異動させることで、若手社員や、伸び悩んでいる社員のモチベーションを高めることができる」という――。

※本稿は、小山昇『会社を絶対潰さない 組織の強化書』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

組織をつくるときは、はじめに「理想の組織図」を決める

人事異動の基本的な考え方は、次の「4つ」です。

① 組織に人を貼り付ける
② 職場のナンバーワン、ナンバーツーを動かす(成績の良い人、昇格した人を中心に異動させる)
③ 同じレベルの社員を組み合わせる
④ 社員の特性を踏まえて、人材配置する
①組織に人を貼り付ける

組織をつくるときは、はじめに「理想の組織図」を決めて、あとから人を割り振ります。人を見て組織を変えると中途半端になりやすく、大きな変化をもたらすことができません。

実際の例で考えてみましょう。

部長が3人います。このとき私は、「部長が3人いるから、3つの部にそれぞれ配属しよう」とは考えない。

「5年で売上2倍の組織をつくるには、あるいは、何があっても潰れない会社をつくるには、A部門、B部門、C部門、D部門の4つの部署が必要だ。しかし今、部長は3人しかいない。だとすれば、課長からひとりを部長に昇格させよう。新しい人材を登用すれば、理想に近づける」と考えます。

「理想の組織図」を思い描き、「理想の組織を実現するには、どのような人材が必要か」を考え、人を異動させる(抜擢する)。こうすることで、組織を大きく変えることが可能です。

人に組織を貼り付けるのではなく組織に人を貼り付けるのが、私の組織のつくり方です。