組織内に大きな実力差をつくらず、社員の実力を揃える

③同じレベルの社員を組み合わせる

組織を編成するときに、「誰と、誰を組ませるのか」に配慮する必要があります。組ませ方を間違えると、組織の生産性が落ちます。

次の2つの組織を比べた場合、どちらが強い組織だと思いますか?

●組織A……優秀な上司と、それなりの部下からなる組織
●組織B……それなりの上司と、それなりの部下からなる組織

答えは、組織Bです。

多くの社長は、「仕事ができる上司には、仕事ができない部下をつけよう。そうすれば、部下の実力が上がる」と考えます。ですが、この考えは、間違いです。

上司が優秀すぎると、部下はやる気をなくします。「あの上司のようにはできない」「あの上司の指示はレベルが高すぎて、自分には無理」と諦めてしまうからです。自分の実力の低さを痛感し、自信を失います。

同じように、部下の実力が上司より高すぎても、部下のモチベーションは上がりにくい。

実力の劣る上司には、実力の勝る部下をマネジメントできないからです。

上司と部下の実力差がありすぎると、組織は脆弱ぜいじゃくになります。組織を強くするには、「同等の力を持っている者同士で組織をつくる」ことです。

わが社は基本的に、

「仕事ができる上司と、仕事ができる部下」
「仕事がそれなりの上司と、仕事がそれなりの部下」

で組織を構成しています。

組織内に大きな実力差をつくらず、社員の実力を揃える。すると、どちらの組織も結果を出します。これが正しい組織のつくり方です。

ミーティング中のグループ
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです

苦手な仕事を押し付けても成長は望めない

④社員の特性を踏まえて、人材配置する

「一所懸命仕事をしているのに結果が残せない」「同じレベルの社員と競わせているのに、力を発揮できない」としたら、「不得意な仕事をさせている」ことも原因のひとつです。

人には得意・不得意があります。単純な仕事ではA評価が取れないが、複雑な仕事に変えたら取れる社員がいます。

そこでわが社は、社員の思考特性、行動特性、得意・不得意、向き・不向きを客観的に判断するために、さまざまな分析ツールを活用しています。

分析ツールを運用することで、次のような効果が得られます。

●相手の特性に合わせたコミュニケーションができる
●社員の持ち味に配慮した人材配置ができる
●部署ごと、業務ごとに必要な人材配置ができる
●社員のメンタルヘルス(心の健康)を守ることができる

また、わが社は社員280名中、51組(退職者を含めると71組)が社内結婚して一緒に仕事をしていて、この15年間で離婚は2組です。