周囲からバカにされたとき、どう応答すればいいのか。芸能事務所ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)チーフマネージャーの平井精一さんは「芸人の世界で成功するためには『プライド』にこだわってはいけない。売れる芸人は、そのことをきちんと理解している」という――。

※本稿は、平井精一『「芸人の墓場」と言われた事務所から「お笑い三冠王者」を生んだ弱者の戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)の一部を再編集したものです。

お笑いのステージ
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マネージャーの役割は「好き勝手やっても売れない」と気付かせること

マネージャーの仕事で重要なのは、芸人が聞く・聞かないは別として「(芸人に)気付かせる」ことだと思っています。気付かせて、感じさせて、その上で自分の頭で考えさせるというステップが大切です。

いろいろと偉そうなことは言いますが、マネージャーは舞台に立ちません。そのため、舞台上での立ち振る舞いや見せ方に関しては、日頃から舞台に立っている彼らには敵わないのです。

だけど、芸人たちは表現者であるがゆえに、売れることよりも「自分はこうしたい」と思うことを優先してしまう。こだわりや理想を捨てられず、自分が思うままに突き進んでしまうのです。

マネージャーがやるのは、「このまま好き勝手やっていても売れない」と気付かせること。その上で、気付いたやつだけが伸びていく。そう考えています。