松屋銀座の「銀座の男」市といえば、最高級品質の紳士スーツが手に入りやすい価格帯で提供される人気の催事。この5月には、かねてより女性客から要望のあった「レディースパターンオーダースーツ」が初登場した。生地は高級ウールを含む50種類から選べ、襟裏にはカラークロスを縫い付けるなど、高級紳士スーツに劣らぬ素材や仕立て。上下で3万9900円からという価格も人気で、13日間のモニター販売期間中にほぼ計画通りの448万円、119着を売り上げた。
利用者の多くは、30~50代の働く女性。「営業職の人が着たり、目上の取引先に会ったり、大事な会議でプレゼンするときなどに、“できる女”に見えるスーツを求めるお客様もいらっしゃいました」と松屋紳士部MD課の木村麻里氏。レディースパターンオーダースーツを手掛けるブランドには、ほかに「ポール・スチュアート」「ニューヨーカー」「23区」などがある。
そごう・西武のPBである「リミテッド エディション」でも2010年からパターンオーダーをはじめている。自分仕様につくれるレディーススーツの必要性を感じPB化。現在、西武池袋本店など4店舗で展開している。そごう・西武商品部婦人服飾部の青木夢夢氏によると、11年度の販売額は前年比130%となった。オーダーの大まかな流れは、パターンを決める、採寸、表地・裏地・ボタン・ステッチの有無を決めるというもの。30代の若い女性の利用も増え、追加されたプレミアム価格帯のスーツも確実に需要が伸びているという。
松屋では、今秋のスーツの催事からレディースパターンオーダーを正式にスタートさせる。「女性の社会進出を考えると、まだまだ需要はあると考えています」と木村氏。次は倍の1000万円の売り上げを目指す。
※すべて雑誌掲載当時
(撮影=葛西亜理沙)