明らかに女性をターゲットにした業界は別だが、基本的な顧客像を男性に想定する商品やサービスは多い。しかしこれからは「女性こそ我々のお客様だ」と思ったほうがいい。なぜならまもなく「女性があらゆる消費の決定権を握る時代」になるからである。『ウーマン・エコノミー』の監訳者の一人、ボストンコンサルティンググループ(BCG)の津坂美樹氏によれば「すでに世界の消費の64%を女性が支配している」という。女性の社会進出は長期的なムーブメントだが、この不況がそれを後押しした。職を失った男性に代わり女性が働き始めたのだ。
BCG シニア・パートナー&マネージング・ディレクター 津坂美樹 つさか・みき●ハーバード大学政治学部、東アジア研究学部卒。同大学経営学修士。2003年から現職。
いま女性が財布のヒモを握る個人消費支出は世界全体で2000兆円だが、数年後には2800兆円になり、同じく総所得は1200兆円から1800兆円に拡大すると見込まれる。BRICsの経済規模を上回るのだ。
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