家事と子育てと介護と仕事に追われる日々の中、どうしたら家の中をすっきり保つことができるのか。翻訳家でエッセイストの村井理子さんは「ゴミを出すときには、家の中の通常のゴミをまとめた後、新しいゴミ袋を持って家のなかを巡回し、もうひと袋追加する努力をしている」という――。(第2回/全3回)

※本稿は、村井理子『いらねえけどありがとう いつも何かに追われ、誰かのためにへとへとの私たちが救われる技術』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。

ゴミと一緒にアジアの主婦
写真=iStock.com/bee32
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もうひと袋を追加する努力

私が住む地域では、毎週2回、燃えるゴミの回収がある。わが家には高校生がふたりいて、大量に食料を消費するので、当然ゴミも多い。だからいつも、最低でもふた袋分のゴミが出ている。

私はそこに、もうひと袋、追加する努力を常にしている。

通常のゴミをまとめた後、新しいゴミ袋を持って家のなかを巡回する。驚くほど、ゴミ箱に捨てられていないゴミが残っているのだ。それを集めていくと、ゴミ袋の半分ぐらいまでにはなっている。残りの半分は、キッチンやその他のスペースにある、普段目につかないけれども実質ゴミであるもので満たす。古いシーツやタオルも、あまり躊躇せずに捨てることにしている。

家のなかをある程度整理された状態にしておくためには、必要なものだけを家のなかに置くことが大切だ。

「いらねえけどありがとう」はなくす

でも、家のなかにあるものを少なくするときにはルールもある。自分が必要でなくなったものを、誰かに譲ろうとはしないことだ。子どもの衣類やおもちゃは、高い確率で歓迎されないはずだし、私自身もかつて、これいらないからあげると言われ、山ほどいらないものをもらった経験がある。そんな「いらねえけどありがとう」と思った経験が、数限りなくある。だからこそ、私はさっさと捨てることにしていた……はずなのに。

先日わが家に遊びに来てくれた子どもに、双子が愛用していたおもちゃを譲ってしまった! ほんのでき心だったが、あんなに大きなおもちゃを渡された親御さんの気持ちを思うと、いたたまれない。反省してもしきれない。

精いっぱい気をつけていても、ふと魔が差すことがある。誰かに何かを手渡すときは、食べ物に限る!(消えてなくなるから)

旅先の家族からの連絡を未然に防ぐ

我ながら小さいなあと思うのだが、旅先で家族から連絡が入ることがとても嫌だ。

10年以上前になるが、友人と本当に久しぶりに県外にグルメ旅に出かけたことがある。双子の息子たちは確かそのとき小学校の低学年で、夫にふたりを任せて新幹線で2時間程度の距離のある場所に1泊の予定で旅行に出たのだ。

かなり美味しいと噂のうどん屋の列に並び、30分ほどしてようやく和室に通された直後だった。ケータイの着信履歴に気づいた。夫だ。一気に不安になった。もしかして子どもたちに何かあったのではと思うとそわそわして、注文どころではなくなった。