シッポを振るのはうれしい時だけとは限らない

「犬は嬉しいときしっぽを盛んに振る」というのはたいていの人が知っています。

それは間違ってはいませんが、しっぽを振っていれば喜んでいると思い込むのは危険です。犬は興奮するとしっぽを振るため、嬉しくても、恐怖を感じていてもシッポを振るからです。(図表1参照)

犬はことばを使わない代わりに、体に表れるボディランゲージ(身体言語)によって、そのときの感情を読み取ることができます。耳は立っているか伏せているか、口元は閉じているか開いているか、上体は普通に起きているか低くかがめているかなど、体全体の表情を観察することで、そのときの犬の気持ちがわかります。(図表2参照)

〈姿勢からわかる犬の感情表現〉
1 正常なリラックスしている姿勢
2 興奮して敵対的な反応を起こしやすくなる
・足の動きが角ばる
3 遊びに誘うしぐさ
・前足の持ち上げ
・なだらかに弧を描いた首
・高く上げられているしっぽ
6 意思的に敵対する態度
・両後足がさらに大きく開かれる
・ しっぽは弓なりになって目立つように高く上げられる
・背中全体の毛が立つ
・前のめりになる
8 恐怖を感じている
・しっぽは低く垂れ下がる
・姿勢を低くする
5・9 非敵対的姿勢
・頭と首は縮こまって背中と一直線
・お腹は地面につく
10 相手との交流を退く
・しっぽを股の間に挟み込む
・お腹をだして転がる

犬同士でも、視覚(身体表現)・きゅう覚(におい・マーキング)・聴覚(うなり・吠え・鳴き声)を用いてコミュニケーションをとっています。それは仲間と親しむためというよりは、野生では自分の身を守って生き抜くために必要なことだったからです。

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