日本にはサラダ専門店がなかった
――サラダ専門店という業態を始めた経緯を教えてください。
CRISP宮野浩史CEO:私が住んでいたアメリカでは、2000年ごろから大都市圏を中心にサラダ専門店をコーヒーショップと同じくらい街中でよく見かけるようになりました。帰国後、日本ではこうした業態が全くないことに気づき、海外の方や海外在住経験のある日本の方などに喜んでいただけそうだと思ったことから、「CRISP SALAD WORKS(以下クリスプ)」を運営する株式会社CRISPを2014年に創業しました。現在は東京、大阪、横浜に計19店舗(2022年11月現在)を出店しています。
アプリの接客言葉が独特な理由
――クリスプは注文を専用アプリからも受け付けていますが、その言葉遣いがとても独特ですよね。普通なら「少々お待ちください」とするところが、「ちょっと待ってくださいね!」となっています。
われわれは「熱狂的なファンを作ること」を第一のミッションに掲げており、その目標達成の手段として、店頭でもアプリ上でも「親友のお母さんと話しているような接客」を意識しています。
アイドルでもバンドでもいいのですが、好きで何回もライブに足を運んでいる人は「ファン」であって、「リピーター」とは言いませんよね。それは、その人が応援しているから。われわれは、お店のサラダはもちろん、接客やコンセプトを含めたCRISP SALAD WORKSを応援してくれる人を作りたい、増やしたいと考えて、お客様とコミュニケーションを取っていきたいと思っています。
熱狂的なファンを作るためには、こちら側が歩み寄らないとお客さんも胸を開かないと思います。カスタマーサポートセンターみたいなコミュニケーションをしていたら、ファンは増やせない。そのため、堅苦しい丁寧すぎる接客ではなく、親しみはあるけれど礼儀もあるギリギリの接客を心がけています。