資産10億~20億円程度の「シン富裕層」と呼ばれる人たちが存在感を高めている。資産家向けの海外生活をサポートしているアエルワールドの大森健史社長は「特に目立つのは『ネット情報ビジネス』で成功した人たち。このうち投資関係の情報商材で年商5000万円を稼ぐ女性は、『オリエンタルラジオの中田敦彦さんが参考になる』と話していた。YouTubeチャンネルを時系列でみると、その試行錯誤がよくわかる」という――。(第2回)

※本稿は、大森健史『日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか』(朝日新書)の一部を再編集したものです。

スマホで株の情報を調べる女性
写真=iStock.com/ismagilov
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「情報商材」で財を成すシン富裕層たち

さまざまなシン富裕層を見ていて、次世代の最強ビジネスをしているのは、やはり「ネット情報ビジネス型」の人たちだと思います。ひとりで稼ぐことのできるマイクロビジネスで、誰もがすぐに取り組めて、さまざまなコストも低いため、これからシン富裕層を目指したいという人にお勧めです。

ノウハウをまとめてインターネット上で販売する、「情報商材」で財を成したというシン富裕層も、ここ数年で増えました。情報商材の「ノウハウ」はピンキリですが、基本的には「狭くて深い専門的な知識」というよりも、「広く浅く、実践的で役立つ」ものが、不特定多数の人に好まれ、売れています。人によっては「そんなノウハウはくだらない」と思う人もいるわけですが、「ノウハウ」はここ数年で、確実に価値を持つようになったと感じています。

「YouTubeのやり方」や「暗号資産の投資術」など、ノウハウを求めている人がたくさんいるからこそ、そうした情報商材が売れているのです。

彼らを見ていて、私も今の仕事を情報商材にできないか、ということを考えたことはあります。「海外移住の手続きを、全部ノウハウとしてまとめて販売」という形です。

しかし、海外移住が可能な資産を持っている人自体が、日本国内で非常に限られてしまいます。しかも国ごと、法改正されるごとに、こと細かく解説していくとなると、準備の手間などを考えてもそれなりの値段になるでしょうし、結局いまの個別相談と、中身と価格はそれほど変わらないのではないかという結論に至りました。