「ちょっと知りたい」ものを安価に提供する

そういう意味で情報商材は、顧客が多く見込める分野で汎用的なスキルやノウハウや情報を、半年~1年程度のアップデート頻度で行うことができるものが適しています。多くの人に「買ってみたい」「ちょっと知りたい」と思われるような内容で、安価に設定するなど、購入者が納得できるような適正な値付けをする必要があります。評判や口コミが悪いと次の集客に悪影響が出るためです。

片手間にやって大きく稼げるようなものではなさそうですが、一度SNSなどでハッシュタグをつけ、有料で出そうと思っている情報量の3分の1程度の内容でどのような反応を得られるかテストマーケティングを行うこともよいでしょう。

動画配信に関しても、「対面」や「マス向け」が重視されていたこれまでの時代の価値観をくつがえし、新たなビジネスチャンスを生んでいます。たとえば英語や体操などの習い事や、税理士などの士業は、いくら優秀で人気があったとしても、今までは対面で会うことのできる範囲でしか顧客を獲得できませんでした。それが動画配信を使えば、時間・地域を問わず何万人、何百万人もの人をターゲットに、自分の実力次第で瞬間的に顧客を集めることができるようになりました。

メイク動画を配信する女性
写真=iStock.com/fotostorm
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スパチャやオンラインサロンなどの課金システムで、きちんと対価をもらうこともできるようになっています。また万人向けの内容ではなくても、コアなファンとオンラインで繋がれば、最終的にオフラインで直接対価を得ることも可能です。

情報ビジネスの人たちは、時代の波にうまく乗りながら、その波を自ら大きくコントロールしています。それができる人たちは、「シン富裕層」の中でも最強の人たちだと思うのです。

ネットビジネスの成否を分ける「顔出し」の壁

本業は株式やFXなどの投資に関する情報商材ビジネスで、集客のために動画配信もしているという30代女性の、マレーシア移住のお手伝いをしたことがあります。彼女はメールマガジンやビジネス用のLINE「LINE for Business」、オンラインサロンなどを通して、お勧めのFXや株の銘柄の情報提供などをし、年商5000万円以上を稼いでいました。

そして「Facebookライブ」などの無料の動画配信を通して、有料会員と交流をしたり、ファンを増やしたりもしていました。特定の投資情報に関する話は有料会員限定で行い、無料のライブ動画はファンとの交流という位置づけでした。

話し上手で魅力的な女性だったこともあり、中高年の男性のファンがたくさんいました。配信中は「いつもお綺麗ですね」といったファンからの書き込みがたくさん来て、彼女が「ありがとう!」などと返事をしていました。

そんな彼女から、「顔出しで動画を配信するだけで、本業のお客様を増やせるんですよ。大森さんもやってみたほうがいいですよ」とアドバイスをもらったのです。

「社長のあなたが、一番存在感が強いんだから、これからはもっとあなたが表に出ていかないともったいないんですよ」と言われたのです。それをきっかけに、私も動画配信に挑戦することにしました。