女性との中絶トラブルを報じられた巨人・坂本勇人選手のように、日本のプロ野球選手はたびたび非常識なトラブルを報じられている。どこに問題があるのか。スポーツライターの広尾晃さんは「日本のプロ野球は意図的に一般社会との間に距離をつくっており、選手たちは社会常識や倫理観を学ぶ機会がない。この問題を放置していれば、プロ野球の未来はない」という――。
なぜプロ野球のスキャンダルが多いのか
プロ野球はポストシーズンに突入し、いよいよ佳境に入っているが、最近のプロ野球では、あたかもペナントレースの「サイドストーリー」のように、選手の「スキャンダル」のニュースが、雑誌を中心にメディアをにぎわわせるのが恒例になっている。
巨人の坂本勇人、DeNAの田中健二朗などの女性スキャンダルの話が記憶に新しいが、それ以外にも、春季キャンプ中に女性を呼んで浮気をしたとか、コロナ禍で外出が禁止されている中、女性と密会していたとか、二股三股で女性と交際しているとか、とかく非常識でインモラルなニュースが枚挙にいとまがない。
他のジャンルのアスリートのスキャンダルもなくはないが、プロ野球選手は特に多いようだ。これはなぜなのか?
女性は誰でも行為の対象だと思っている
2016年に亡くなったスポーツライターの佐野正幸さんは、野球選手との交流も多く、そのプライベートをよく知る人だった。
佐野さんは『プロ野球の世界に生きること」(長崎出版)と言う本で、「プロ野球選手の特性」を列挙しているが、その中には
・ご馳走されても、モノをもらってもお礼は言わない
・女は誰でも「やらせる」ものだと思っている
・何でもやってもらって当たり前だと思っている
・上の指令には恐ろしく従順である
・プロ野球経験のない人の野球に関する意見には素直に従わない
などがあった。