「おろすならおろすで早い方がいいやろ?」にドン引き
「文春オンライン」が巨人・坂本勇人(33歳)の「中絶トラブル」を報じて約2週間。すでに示談は成立しているというが、球団からの公式発表や処分はまだない。テレビや新聞もほぼスルーしている状況に、「忖度している」の声が飛び交っている。また“坂本擁護”のコメントを出した著名人や元プロ野球選手にも非難の声が上がっている。坂本への“逆風”はやまないどころか、日に日に強くなっている印象だ。
かねて夜遊びを報じられてきた坂本だが、NPBでは圧倒的な存在感を示している。甲子園で活躍(青森・光星学院)すると、巨人にドラフト1位で入団。守備の負担が大きいショートでベストナインを7度、ゴールデングラブ賞を5度受賞した。2016年にセ・リーグのショートとしては史上初となる首位打者を獲得すると、2019年には最優秀選手(MVP)に輝いた。2020年には右打者として最年少の31歳10カ月で通算2000本安打を達成している。
5年契約の4年目となる今季はNPBの内野手で最高額となる年俸6億円(推定)で契約。NPBで“頂点”にいる選手の一人と言っていいだろう。
しかし、すでに多くの方が指摘している通り、今回の中絶報道はこれまでの女性トラブルとは次元が異なる。交際していた女性の妊娠がわかるや否や「おろすならおろすで早い方がいいやろ?」「中出しし放題だもんな」といった人としていかがなものかと思える言動をしたとされ、まず、プロ・アスリートとして猛省する必要がある。
「スポーツ選手は結果で見返せばよい」という坂本擁護派の声も聞こえてくるが、「見返す」のは、ある試合で3三振だったから、次の試合は打てばいいといった文脈で使うべき言葉である。しかも、近年の坂本は年俸5億~6億円の“働き”をしていない。
2019年(当時30歳)には143試合に出場して、キャリア最多タイの173安打(打率.312)、キャリア最多の40本塁打をマーク。MVPに輝くなど、本当に素晴らしかった。
しかし、その後は徐々に成績が低下。打者を評価する指標のひとつであるOPS(出塁率と長打率を足し合わせた値)は2019年が.971、2020年が.879、2021年が.826、今季は.753(9月21日時点)だ。さらに今季は4月30日の阪神戦で右膝を負傷(右膝内側側副靱帯損傷と診断された)。登録抹消した影響もあり、規定打席の未到達が決定的になっている。
2015年からは主将としてチームを引っ張っているが、昨季は3位、今季も現時点で3位とチームは振るわない。巨人OBで日本球界のご意見番でもある広岡達朗氏も自著で「伝統ある巨人の主将として誇りとひたむきさが感じられない」と嘆いている。