年初以来、米国株の下落トレンドが続いている。このままアメリカは景気後退に陥ってしまうのだろうか。人気米国株ブロガーのもみあげさんは「今年8月のジャクソンホール会議がターニングポイントになる。しかし、どんなに悪くても2024年には景気は回復基調となるだろう」という――。
ニューヨーク証券取引所のトレーダー
写真=AFP/時事通信フォト
ここ数年順調に値を上げてきた米国株だが、年初以来神経質な値動きが続いている(写真=ニューヨーク証券取引所のトレーダー、2022年6月14日)

米国株をとりまく今の環境をチェックする

年初以来、米国株の下落トレンドが続いています。2022年上半期でS&P500は21%の下落、ナスダックは29%の下落と、1970年以来の歴史的な下落になってしまいました。米国株が今後どのようになっていくのか、投資家は不安な時間を過ごしている状況だと思います。

一方で、その1970年の株価の動き(図表1)を例に挙げて、今年下半期から急激に株価が回復するという予想シナリオを描く向きも少なくありません。

【図表1】1970年のS&P500指数の推移
出所=米Yahoo! financeのデータを基に編集部で作成

果たしてそれほどうまくいくのでしょうか? どのような根拠を持ってその予想になるか、今の米国株の状況をひとつずつ整理しながら、自分なりに今後の展望をお伝えしていきたいと思います。

本稿では現在米国株を取り巻く環境を、以下の5つの視点から順に見ていきたいと思います。

1.インフレ状況
2.利上げ
3.量的引き締め(QT)
4.リセッション確率
5.アメリカの中間選挙