第一線の現場の社員がエンパワーされるためには、その上のミドルがエンパワーされる必要がある。真の意味でエンパワーせずに、ミドルに対して勝手に自律型人間たれ、と言い、彼らが一人で仕事ができるものだと思いこんでいる企業が多いのではないか。
その点では、流動化が進むなかで米系企業はエンパワーされた現場リーダーやミドルを支援することに最大限注力している。例えば現場リーダーから部下が辞めてしまったという連絡が人事に入ると、即座に行動し、社内ではなく、社外にプールしている人材も含めて、リーダー支援に採用可能な人材のリストを提供する。人がいないと現場が回らなくなるわけで、現場が仕事ができるようにする重要なサポート活動なのである。
※すべて雑誌掲載当時
(溝上憲文=構成 増田安寿=撮影)