調査概要/プレジデント編集部で、日本CHO協会に登録する人事関係者、人材会社関係者約1800人を対象に調査を実施。期間は2010年3月12~19日。有効回答者数は241人。回答者は各業種ごとに、業績などを基に選出した企業の中から1社とその理由を選択。さらに、各業種で選択した企業の中から最も働きがいのある企業1社を選択した。
残念なことに、既存の“働きがいが高い”企業のランキングは、働きやすさに特化した評価が多い。だが、働きやすさは、組織にいることが受け身の幸せ感につながりやすいものの、積極的な意欲ややりがいにはつながりにくい面もある。
では、働きがいの源泉は何なのか。リストラの嵐が吹き荒れる今、経営の効率化によって人員が減ると、それだけ従業員の仕事が増えることになり、長時間労働になりやすい。働きやすさを追求するのであれば、効率化はしないほうがいいし、人員に余裕があったほうがいい。
でも、今のように長時間労働が大きな問題になる以前の高度成長期、従業員はみな一心不乱に働いていた。働きやすさを感じている人は少なかったかもしれないが、働きがいを感じていなかったかといえば、そうでもないだろう。仕事の与え方やキャリアの未来が違ったのである。
またビジネスマン2000人に対するアンケートで、「仕事のモチベーションは何ですか」との問いに対し、「給料」と答えた人が約54%存在した。しかし、本当にそれが心の声なのか。働きがいを感じる仕事がない結果、お金しかないと思っているのではないだろうか。お金や働きやすさよりも、本当はやりがいのある仕事が重要なのかもしれない。