【業種別ランキング:建設・不動産】三井不、森ビルで半数の票を獲得/三井不動産と森ビルが僅差で1位、2位に。両社で半数近くの票を集めた。三井不動産を選んだ理由として、約6割が「働く人が自分の仕事にプライドをもって働いている」と回答。森ビルと回答した約4割も、同理由を選択した。三菱地所、大和ハウス工業、鹿島建設も同理由を選択した人が最も多かった。

働きがいとは、一言でいえば、働くことを通して自分が喜びとなるようなもの、本当に重要だと思うものを得られるかどうかにある。したがって例えば若い人にとっては、自分が成長することが重要だと思うだろうし、キャリアを積んだ人にとっては達成感の獲得にあるだろう。あるいは子育て中の女性にとっては、働きながら子供を育てることを喜びと感じるかもしれない。この場合は、いわゆるワークライフバランスが、その企業で働く意欲につながる可能性がある。

働きがいの源泉は多様なのである。またキャリアステージや、その人を取り巻く状況によって働きがいの源泉は変化する。いずれは幹部候補になるだろうと思って期待していた女性が、しばらくして結婚・出産し、休職したいと言ってくる。そのときにきちんと対応してあげなければ、その人材の働きがいは低下するだろう。働きがいの源泉は多様なだけではなく、常に変化するものだということを前提に、時間軸や状況に応じた多様性のある働きがいを提供できることが企業にとって大切なのである。

でも、やはり基本は、仕事を通じた働きがいだろう。いつの時代でも仕事とキャリアが働きがいの基盤だった。仕事を通じた働きがいを提供する企業を評価する指標としては、米国のGreat Place to Work RInstitute(GPTW)の「働きがい調査」が有名だ。このモデルは、信用、尊敬、公正、誇り、連帯感の5つを指標にしているが、私から見れば、「今」を非常に重要視している。今、公正に扱われているか、責任ある仕事を任されているか、という点に比重がある。