調査概要/プレジデント編集部で、日本CHO協会に登録する人事関係者、人材会社関係者約1800人を対象に調査を実施。期間は2010年3月12~19日。有効回答者数は241人。回答者は各業種ごとに、業績などを基に選出した企業の中から1社とその理由を選択。さらに、各業種で選択した企業の中から最も働きがいのある企業1社を選択した。
ところが日本の場合は、現場への資源提供を最優先せず、コストを気にするあまり、人が埋まらないということが起こる。現場リーダーに対するサポートを見ても、日本の現場リーダーは放置されているといってもいい。
現場社員のエンパワーメントがうまく機能している典型的な事例がグーグル(総合ランキング1位)だ。グーグルの社員はマネジャーになりたがる人が少ないという。マネジャーというのは、現場の一線を退いた人がなるもので、そうなれば現場の仕事が一切できなくなるという感覚があるらしい。逆にいえば、多少、報酬はよくてもマネジャーになりたくないということは、それだけ現場に働きがいがあるということだ。
もちろん、グーグルには現場をコントロールするリーダーがいて、現場の人間が仕事をつくり出すための情報や技術などの資源を使って目標達成を支援している。とくにフィードバックは非常に厳しいという。そうすることで現場をエンパワーしているのである。
日本企業にはこのような達成の支援を行うための装置がない。具体的には組織開発(オーガニゼーション・デベロップメント)がほとんどなされていない。現場のリーダーが部下をマネージするために、必要な情報と技術の提供やカウンセリングの仕組みなど、サポートシステムが極めて不十分なのだ。