【業種別ランキング:小売】ファストリ圧勝!注目は良品計画/ユニクロを運営するファーストリテイリングが、2位に3倍近くの差をつけて圧勝。守島氏の評価が高かったのが、2位の良品計画だ。その理由として多かったのは、「働く人が自分の仕事にプライドをもって働いている」(約5割)、「働く人が、仕事に達成感を感じて、活き活きと働いている」(約4割)。

良品計画(小売業ランキング2位)は、従業員に「自己有能感」を与えるための仕組みづくりを実現している企業の一つだ。同社は、非常に細かい資格制度を数多く設定することで、従業員の自己有能感を維持している。例えば売り場責任者1級、2級、3級といった仕事の能力発揮度を細かく分ける制度がその例である。

一人の店長が販売員全員をマネジメントするとなると、どうしてもムラが発生する。昇格してもそれほど給与が上がるわけではないが、こうしたシステムを取り入れることで販売員に達成感を生み出す工夫をしている。つまり、小さい目標を段階的に設定することで、目に見える自分サイズの目標を提供しているのだ。

またモチベーションの考え方のひとつに、セルフモチベーションという考え方がある。つまり、自分でモチベーションを管理し、それを実現できることが重要だという議論だ。それも大切だが、私は、やはり企業が3年後のゴール、5年後のゴールを示唆してあげるべきだと思う。その達成に向けてどういうステップを踏めばいいのか、リーダーがアドバイスしながら自己有能感を維持させていく。企業として自己有能感をいかに維持させていくかがモチベーション・マネジメントの基本だと考えている。

※すべて雑誌掲載当時

(溝上憲文=構成 的野弘路、増田安寿=撮影)