仕事のスピードを根本的に上げるための3つの法則

【タイミングの法則】をうまく使って、タイミングを制することはできた。では、つぎに、「根本的に」スピードを上げるにはどうすればいいのだろうか? 仕事をこなすスピード自体を上げるために、あなたがやるべきことはなんだろうか? 3つの法則を紹介しよう。

1つめは、【目標の法則】だ。端的に言うと、必ず目標をもって仕事に取り掛かるべき、ということだ。

たとえば、職場には、どんどん仕事のスピードを上げていって、いつしか定時で帰れるようになって、同時に成果を出し続けている人がいる。反対に、いつも遅くまで働いているのに、まったく成果につなげられていない人がいる。前者は仕事を速くこなせるようになった人だ。一方で、後者は仕事がいつまでも遅いままの人だ。

両者の違いはどこにあるのか?

もちろん、たくさんの要因が絡んでいる。ただ、1つ確実に言えることは、「目標を立てるタイミングの違い」である。

多くの人はこう考える。「まずは、とにかく知識を身につけよう。知識があれば、仕事を速くこなせるようになるはずだから」と。たしかに、これはある場面では正しい。しかし、多くの場面においては、まったく逆の考え方が正しい。どういうことか?

つまり、正しくは、「まず明確な目標があって、その目標に向かって努力するための計画があり、その計画を通じて、知識を身につけるという行動をする」ということだ。だれも教えてくれないが、きわめて重要な真実だ。

目標を明確にしないと効率の悪い行動に出てしまう

……ピンとこない? だいじょうぶ。あなたにも、実感できる出来事があるはずだ。

たとえば、受験を考えてみると、わかりやすいだろう。ほとんどの人にとって、受験とは、「目標の学校に受かるための試験」だったはずだ。○○という学校に行きたい、だから、その学校に合格するために勉強する、というものだ。

授業中の中学生
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このとき、効率がいい人はこう進める。まず、志望校を明確にする(=目標)。つぎに、その志望校の受験に必要な科目を調べ、各科目の点数を効率的に上げる勉強方法を調べる(=計画)。そして、ここまできてようやく勉強に着手する(=行動)。このプロセスを経て、実際にちゃんと勉強に集中できた人は、受験のときに、望ましい成果をあげられたことだろう。

つまり、成果をあげる人とは、「まず目標を明確にする→効率的な計画を立てる→行動に移す」の順番で動いた人なのだ。

一方で、受験でいい成果を残せなかった人の多くは、反対の行動をとる。「まず目標を明確にする」をしないのだ。だから、勉強科目を絞るところにたどり着けず、必要ない科目も含めた全科目の勉強を漫然と続けてしまう。結果、受験で成果をあげられる可能性がぐっと下がってしまう。