アメリカの目玉焼きは6種類もある
評論家で、勝間塾の主宰者の勝間和代さんとは長い友人である。「デフレの日本を救うには金融拡大が必要だ」と意見を述べても、日本銀行をはじめとして、経済学者、官庁エコノミスト等が、ほとんど私の話を聞いてくれなかった頃、勝間さんはデフレの深刻さを理解して政府を説得しようとしてくださった。2010年には、『伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本』(若田部昌澄日銀副総裁を含め3人による共著、東洋経済新報社)を出版し、そのときからの友人である。
勝間さんがユニークなのは、本で得られる知識から思考するだけでなく、日本人の日常を直視して生活のアドバイスや評論活動を展開するところにある。他人に学ぶのではなくて、日頃の生活の中に問題を発見し、知性を働かせて日々をより豊かなもの、充実したものに変えていこうとする。生活に密着した“勝間節”は面白く有益である。共著者のよしみで、私は勝間塾の名誉会員であるらしく、時にゴルフの「ホール・イン・ワンを達成しました」などという朗報が届く。
22年2月16日の勝間塾のニュースレターに「アメリカの目玉焼きは6種類もある」という記事が載った。それは日米文化の差を説明するときにいい例で、イェール大学の日本経済の講義でも議論した話だったので、ここでも取り上げさせていただく。