財務官僚は経済学の勉強不足

「日本財政は破綻寸前で、増税をしないとタイタニック号のように日本は沈没する」という、矢野康治財務省事務次官の論文(『文藝春秋』2021年11月号掲載)が話題となった。同氏の論文は政府の持つ実質資産を無視する点で、基本的なデータの理解が間違っていることは、『イェール大名誉教授「"日本財政は破綻寸前"はウソと断言できる理由」』で既に論じた。

その際、同論文には経済学の初歩である需要供給分析を理解していないのではないか、と思わせるところがあったので今回論ずることにする。