子供への仕送りは月平均12万円…子は何に使っているのか
図表2は、日本学生支援機構による、全国の大学生を対象にした収入と支出の結果(年間)である。家庭からの給付=仕送りとすると、月約12万円。支出のうち生活費が月約9万5000円なので、毎月上手にやりくりしなければ、外食や旅行、レジャーなどで、ちょっと使い過ぎると、たちまち赤字になりそうだ。
ちなみに、これは、国公立および私立の平均となっており、私立のほうが収入も支出もこの額よりも高い。
筆者自身も、かつて大学進学のタイミングでひとり暮らしを始めた。実家では、本ばかり読んでいて、料理や洗濯、掃除など家事のお手伝いは一切せず。休日は、読書する以外、ほぼ寝ていた記憶しかない。
親も、相当心配だったろうと思うが、意外とやればできるタイプだったらしい。すぐに、家計簿を買って、毎月の仕送りと奨学金、バイト代でやりくりするようになった。家計簿はその後に引っ越しした際、全部処分してしまったが、取っておけば、その時の暮らしぶりがよく分かったのにと悔やんでいる。
食事も、実家から大量に食材が送られてくるため、ひたすら自炊。いつの間にか、友人が頻繁にご飯を食べにくるようになり、一通りの料理は作れるようになったと思う。
まさに、「習うより慣れろ」とはよく言ったもので、親が考えている以上に、子どもはちゃんと自立していく。必要に迫られれば、自分の身の回りのことはできるものだ。
ただし、気をつけておきたいのは、親が学生時代の頃と比べて、生活スタイルがまったく異なる点だ。
とくに、インターネットやスマホを使ったコミュニケーションの普及の影響は大きく、人と人とのつながりが外からは見えにくくなっている。
通常であれば、つながるはずのない第三者と、SNSなどで簡単に知り合うことができ、何かトラブルが起こったとしても、親はなかなか気づくことができない。