ひとり暮らしを始める子どもに親が伝えておくべき3つのこと
まず1つ目は、予算を立て、収入の範囲内で支出をまかなうよう家計管理を習慣づけること。家計簿をつけたり、ノートにレシートを張り付けたり、家計簿アプリや表計算ソフトを利用したり。アナログでもデジタルでも、自分がやりやすい方法を選べば良いが、とにかく、ちゃんと記録として残しておいて、「見える化」することが大切である。
2つ目は、お金の使い方をよく考えさせること。お金を使う際には、それが今の自分を満足させる「消費」なのか、将来に向けた「投資」なのかを意識すると良い。
そして、自分自身を満足させることだけがお金の使い道ではない。お金は使い方次第で、誰かの役に立ったり、救ったりすることもできる。例えば、寄付をする。コーヒーを飲むならフェアトレード(発展途上国の生産物を、その生産者の生活を支援するため、利潤を抑えた適正な価格で、生産者から直接購入するしくみ)のものを選ぶ。買い物するときにはエコバックや外食の残りを自宅に持ち帰るドギーバックを利用するなど。
お金を使うこと=消費には、自分の価値観が反映される。自己投資はもちろん、何のために、何にお金を使うかを考えることで、自分らしさが表現できることを教えておきたい。
3つ目は、“意味のある節約”をするように促すこと。無駄遣いはしないに越したことはないが、過度な節約は健康を害する恐れがある。例えば、食費を節約するために、食事の回数や量を減らす、コンビニ弁当やカップ麺ばかり食べる。光熱費を節約するため、冷暖房を使わないなど、健康を害して医療費がかかるようでは意味がない。
生活用品などについても、安価だからと買ったのは良いが、気に入らなくて買い直したり、すぐ壊れてしまったりしては、まさに「安物買いの銭失い」となる。
それに節約するのは「お金」ばかりではない。「時間」も有限である。勉強時間を捻出するために時短家電を購入する。効率的に最短で資格取得を目指すためスクールに通うなど、お金をかけて、時間を節約するといった考え方も大切だ。
ただ、時間を節約するといっても、安易な投資話に乗るのは危険だ。最近の大学生には「楽して儲けよう」という風潮が強く、バイトで時給を稼ぐのではなく、スマホでFXをして稼ごうとする者も少なくない。投資には当然リスクがあることも、合わせてひとり暮らしする子供に伝えたい。