「ひとり暮らし」でその人のマネー習慣が決まる
3月から4月にかけて、大学進学や就職などで、親元を離れ、生まれて初めてひとり暮らしをする人が増える。
ひとり暮らしともなれば、家賃・共益費、食費、生活雑貨、水道光熱費など、さまざまな支出がかかる。さらに、行動範囲や付き合いが広くなることで、これまでよりもお金が必要になる機会が増え、金額も大きくなってくるはずだ。
一方で、仕送りやお小遣い、給料・アルバイト代など、使えるお金には限りがある。
ひとり暮らしは、子どもにとって、社会を知り大きく成長する良い機会であるとも言えるが、そばにいてやれない分、親の心配も尽きない。
そこで、今回はファイナンシャル・プランナー(FP)である筆者の視点から、今春からひとり暮らしを始める子どもに、親としてどのようなことを伝えておくべきか考えてみよう。
もうしばらくは、一緒に暮らせると思ったのに、気づけば旅立っていくことに。「空の巣症候群」とも言われるように、親や保護者としては、子どもの成長をうれしく感じる反面、何ともいえない寂しさを感じるものだ。
とはいえ、ひとり暮らしともなれば、「料理や掃除といった家事をもっとやらせておけばよかった」「早寝・早起き・朝ごはん。基本的な生活習慣を身に着けさせておくべきだった」など、親として、やっておけば良かったと思うことは少なくない。
全国の大学生の子どもを持つ保護者に実施したアンケート(2018年11月、CHINTAI調査)によると、自分の子どもをひとり暮らしさせる際、不安だったことの第1位は、「生活費の管理」(53.8%)となっている。次いで、「家事」(51.8%)、「体調管理」(45.5%)、「生活習慣の乱れ」(40.5%)と続く(図表1)。
半数以上の親が不安に感じているのはお金のことのようだが、大学生でひとり暮らしをした場合、どれくらいお金がかかるのか確認しておこう。