クローゼットは家計の状態を表すのだろうか。『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』(日本経済新聞出版)の著者、ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは「例えば、同じような黒のパンツが3本以上あることを認識していない人は、衣類に限らず、衝動買いや浪費の傾向がある」という――。
クローゼットから今日着ていく服を取り出す女性の手元
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「クローゼットに黒いパンツが3本」の人が要注意な理由

ポカポカ陽気の続く4月、そろそろ冬物をクリーニングに出したり、衣替えしたりする人も多いだろう。衣類の入れ替えとともに、クローゼットやタンスの片付け・整理をする機会も増えるが、実は、クローゼットの見直しが家計にも意外な効果をもたらす。そんな、クローゼットの中身とお金の関係をご紹介しよう。

さまざまな衣料アイテムの中でも、年代や性別を問わず多くの人が持っているのが黒いパンツである。合わせるトップスやシューズを選ばないし、デニムやチノパンと比べると、カジュアルにもドレッシーにも着回すことができる。

下半身が気になる女性にとっては、黒いボトムスなら、引き締め効果も期待できる万能アイテム。汚れが目立たないのもありがたい限りである。

そんなオールマイティな黒いパンツだが、みなさんは自分が何本持っているか、把握できているだろうか。

秋冬用と春夏用を考えると2本はほしい。だが、クローゼットやタンスに3本以上あるという人は要注意かもしれない。それは、「お金の貯まらないクローゼット」になっている可能性がある。

多くの家計相談を受け、お金の貯まる人、貯まらない人の生活ぶりをつぶさにウオッチしてきた筆者は「2本はOKだが、3本以上はNG」という法則を見いだした。なぜなら、黒のパンツが3本以上あるなら、他にも似たようなアイテムを無駄に所有している可能性が大で、そういうタイプは家計の支出にも難があることが多いのだ。

基本的に用途が同じモノをいくつも同時期に持つ必然性はないはずだ。自分にとっての適した量を把握し、きちんと管理することが賢い「消費」であり、節約につながる。逆に、それができていないようなら、自分の「浪費」体質を疑ってみるべきかもしれない。