夫婦共働きで世帯の手取り月収は70万円近くある。安泰な家計のはずだが、マンションの返済ローンは月17万円超、また3人家族なのに食費が10万円も。さらに、長男の私立中高一貫校合格のための塾代も10万円近く。それでもまだ余裕があるはずが、夫婦が赤字家計に転落するかもしれないと青ざめた理由は、「2人めの懐妊」だった――。
ベイエリアのタワーマンション
写真=iStock.com/taka4332
※写真はイメージです

家計に占めるタワマンのローン返済比率が42%に

「子供が増えるので、お金を貯められるようにならないといけないと思って」

そう言うのは会社員の関根剛志さん(44・仮名)。共働き(正社員)の妻・陽子さん(42・同)と小学3年生の長男との3人暮らし。陽子さんは現在妊娠中で年の離れた第2子の誕生を家族全員で楽しみに待っています。

ただ、出産に伴い、陽子さんの収入が減ります。その影響で恒常的な赤字家計になったり、貯金が減ったりするのではないかと心配しています。

夫婦の手取り月収は、約68万円。支出は約62万円です。毎月6万円の差額がありますが、いつの間にかなくなってしまうことも多く、貯金(420万円)は思うように増えていません。また、産休に入ると妻は無収入。今のままだと、家計は赤字まっしぐらです。

育児休業に入り、手当がもらえても、やはり赤字家計となる見込みです。貯金を切り崩して暮らすことになりますが、出産手当金をもらったとしても貯金額が元の額に戻る算段とはならなさそうです。また、妻が復職した場合、当面は時短勤務になり収入減が見込まれます。今後の家計はどうなってしまうのだろうと、先々の収入を見据えて不安になっているようです。

気になるのは、夫婦と小学3年生1人の家庭で、なぜ、月の生活費が62万円にもなるのかということです。支出状況をみると、一番大きなのは数年前に購入した湾岸地区のタワマンの住宅ローン(17万4000円)。収入の25.5%ほどを占め、妻の休業などで収入が夫のみになると、住宅ローンの割合は42%にまで上がってしまいます。