職場で「最近どう?」と聞かれたとき、どう返せばいいのか。多摩大学名誉教授の樋口裕一さんは「雑談にリアルは必要ない。事実をすこしデフォルメし、4コマ漫画のように最後にちょっとしたオチがつくようにできごとを伝える。そういう人は『頭のいい人だな』と思われやすい」という――。

※本稿は、樋口裕一『頭のいい人は「答え方」で得をする』(だいわ文庫)の一部を再編集したものです。

オフィスビルでのミーティング風景
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「最近どう?」にモゴモゴしてしまう人の共通点

「口下手だから雑談が苦手」と思い込んでいる人がいる。そのため、なんとか克服しようとして雑談のテクニック本を読んだり、スマホの雑談ネタアプリでせっせと話題を仕込んだりしている。

しかし、雑談というものは、こちらの意思とは別に向こうからやってくることがある。そのため、真面目な人ほどいちいちきちんと対応しようとして右往左往するのだろう。

確かに、知人から「最近どう?」などといきなり声を掛けられ、モゴモゴしてしまうことは誰にもある。

「週末はどこか出掛けるの?」「連休は何してた?」などと挨拶代わりに聞かれて、ちょっと面倒に感じたりもする。だが、それほど真剣に悩まなくても、軽やかに対応することはできる。

私の場合、「あいつはクラシック音楽好きなちょっと変なヤツ」だと周囲に思われているので、相手もその手の話を振ってくることが多い。

仮に音楽に関係ない話を振られても、こちらは自分が好きな音楽の分野から発想して答えることを続けていると、周囲は「あいつに聞けばそういう答えが返ってくるだろう」と予想して話し掛けてくれるようになる。