会話を続かせたいのに途切らせてしまう人の共通点

雑談を続けるのがうまい人と、そうでない人がいる。続かせたい、もしくは間を持たせなければならないのにそれができず気まずい空気が流れてしまうとき、どんなことに注意して答えればいいのか。

「元気?」「お久しぶり!」などと、誰かが声を掛けてきたとする。その相手が同僚や友人などとくに気を遣わない間柄で、気楽に流しても大丈夫なときは「まずまずだね」「ぼちぼちだね」と返せばいい。

気の利いたことを言おうなどと構えることはない。これは何も改めて言うまでもない、コミュニケーションの基本であろう。

ただ、このようなごくありふれた返事にもちょっとしたコツがある。ビジネスの場面であれば、どんなことにも早めに返すほうがよい。その間があまりにもあると、仕事のスイッチが入っていないと思われるからだ。

だが、仕事から離れたシチュエーションでの雑談の場合、即座に答えることだけが大切とは限らない。無理やりオンの状態にしなくても、むしろ間を持たせたほうが相手とじっくり対応できる。

たとえば、「最近どう?」と声を掛けられたら、「うーん」といったん考えるような態度で受けてみる。「そうだなぁ……」「えーっと」でもよい。そういう姿勢を見せることで、その間を共有できる。間が空いて、「愚鈍だな」などと思う人はいないだろう。雑談において間は、場を作る効果があるのだ。

そして、そんなふうに間を取っているうちに、「そういえば……」と何かいい話題を思い出すこともある。なければ「そういえば……とくに何もなかったな~」と笑いを取れる。

このように、一度会話を受けた後で「で、そっちはどう?」と質問で返せば、雑談がスムーズに進む。途切らせてはダメだと慌てて返事をするよりも、よほどいい時間を生み出すことができる。

立ちながら会話をしているビジネスマン
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相手をハッとさせるのがコツ

では、声を掛けてきた相手が、気楽に流すのは気が引ける人だったらどうか。

相手が「仕事どう?」「がんばってる?」といった仕事モードで問いかけてきた場合、うまく行っているときこそ、最初のひと言で「最悪です! 今朝犬の糞を踏みました」などと返す。

そして、その後に「昨日の○○社の交渉、一発オッケーいただけたのでひと安心です」と、うまく行っている具体的なことがらをコンパクトに伝える。

反対に、うまくいっていないときは「絶好調です! 朝から肉食いました!」などとまず答えて、「例のトラブル、まだ収束してないんで、今夜も徹夜の可能性大なんですよ?」という具合に続ける。