子煩悩で料理上手なイクメン夫の浮気・うつ病を疑う
中部地方在住の白井和美さん(仮名・30代・既婚)は、看護系の大学時代、同級生の友人から、同い年で国家公務員だという男性を紹介される。それが現在の夫だ。
2人は8年間付き合い、2007年に結婚。翌年3月、大学病院の看護師をしていた白井さんは退職して家庭に入り、実家から高速道路をつかって1時間ほどの夫の実家から車で15分ほどのところに新居を建築。2年後に長女、その3年後に次女を出産した。
白井さんの夫は、料理も掃除も洗濯も、何でも率先してやってくれる人だった。娘が生まれた後は、おむつ替えはもちろん、着替えや爪切り、入浴や食事の世話など、自分からどんどんやってくれるイクメン。白井さんが夜泣き対応で朝がつらいときには、白井さんのために朝食を作ってから仕事へ行ってくれた。
「夫は本当にいい旦那さん、いいパパでした。料理もプロ級の腕前で、煮物、揚げ物、中華、イタリアン、何でも作れちゃいます。たぶん、こんなに何でもやってくれる人はなかなかいないんじゃないかな……と思っていました」
夫は娘2人を溺愛し、言葉が話せるようになった長女が「パパ買って~」とねだると、自分の小遣いをはたいて何でも買ってあげていた。
ところが、そんな幸せな生活が一変する。
2014年5月。夜勤から帰ってきた夫を白井さんが玄関で迎え、いつも通りに「おかえり~!」と言ってキスをしようとしたところ、「いや、そういうのいいや……」と夫は冷たく拒否。そのまま夫はソファーに横になり、またたく間に寝入ってしまった。
「夫は、行ってらっしゃいとおかえりなさいのキスは欠かさなかったし、いつも夜勤明けは、帰ってくるなり趣味のサーフィンに出かけていたのですが、その日から急にサーフィンにも行かなくなり、別人になったかのようでした」
ソファーで横になっている夫に白井さんが話しかけても、無視するか面倒くさそうに「うん」と言うだけ。翌朝、夫は仕事の時間になると起き、無言で仕事に行った。
白井さんは浮気かうつ病を疑い始めた。