決定するために誰を呼ぶべきか

とある会議中のこと。

Nさん「この数字がこの値よりも大きいなら1案で、小さいなら2案で進めるということで決定しましょうか。

この数字はサービス部門のデータですけど、Iさん、この数字ってどのくらいですか」

Iさん「うーん、細かい数字は担当のUくんに聞かないと。今はわからないなあ」

僕「じゃあ、これは次回の会議までの宿題ということで、来週決めましょう。Iさん、ご準備のほどお願いします」

Nさん「いや、ちょっと待って。今、Uさんに電話するから。……あ、Uさん? 今からこの会議室、来れる? え、会議中? いいから、10分だけ来てよ。……よろしく〜。今からUさん来るから」

会議室
写真=iStock.com/Peshkova
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ガチャ(ドアの開く音)

Uさん「Nさん、強引ですね〜。何の要件ですか」

Nさん「これこれ。こういう案を作って、最後2つのどちらかを選択するためにサービス部門のこの数字が必要なんだけど、Uさん、わかる?」

Uさん「わかりますよ。××です」

Nさん「了解! じゃあ、案1でいこう! Uさん、もうOKよ。ありがとね〜」

プロジェクトの進み具合は会議の終わり方で決まる

会議終了後……

僕「いやー、あそこでいきなり、ほかの会議中のUさんに電話して連れてくるなんて、強引ですねー」

Nさん「寺澤くん、多少強引に見えるかもしれないけど、10分で終わることを宿題にして、1週間も引き延ばすことをよしとしちゃいけないよ。

僕たちの仕事は会議をお作法どおりにきれいに行うことじゃなくて、プロジェクトをなるべくいい形で終わらせることなんだから。

今この時点で案1だと決まっているのと、来週の会議ではじめて案1になると決まるのとでは、大きな差が生じるよね。この1週間で、『案1をどう進めるか』という深掘りもできるじゃない」

僕「おっしゃるとおりです......」

Nさん「だよね。そのためにも、今後会議を設定するときは、ちゃんと決定をできる人、決定をするための情報を持っている人を事前にきちんと考えて呼んでおくことだね」

僕「ほんとそうですね! 次から気をつけます!」

【Nさんからの教え】
・プロジェクトを進めるために必要な情報を持っている人を見極め、事前に会議に呼んでおくこと
・もし決定に必要な情報を持つ人を呼んでいなかった場合、次の会議まで決定を延ばさず、その情報を取りに行く強引さも時には必要であること