※本稿は、寺澤伸洋『GAFA部長が教える 自分の強みを引き出す4分割ノート術』(世界文化社)の一部を再編集したものです。
私もかつてはアイデアをパワポにまとめていた
あなたは自分の考えをまとめたり整理したりするとき、どのような方法をとっていますか。パソコンですか? それともスマホにメモをしていますか?
僕は20代半ば頃までは、すぐにパソコンに向かうタイプでした。上司に「あのプランはどうなってる?」と訊かれたら、「今の考えをパワーポイントにまとめてみたので送ります!」といった感じで、思考の途中経過をパソコンできれいなアウトプットにまとめて見せるのがいい、と信じ切っていたのです。
ところが僕が経営企画本部に配属になり、本部長に同じことを言った際、「思考過程でパソコンを使ってはいけない」と、次のように指導されたのです。
「いやー、今パワーポイントで企画書を作成してるんですけど、アイデアが上手くまとまらなくて……」
「ちょっと待って。今の段階でパワーポイントなんか使っちゃだめだよ。思考がそこで止まってしまうからね。思考するときには、まず鉛筆でA3の白紙にまとめなさい。A4ではなくA3だよ。思考の広さ・深さは描いているキャンバスの広さに比例するからね」
「ええ! 鉛筆で手書きですか?」
A3用紙に鉛筆と消しゴムを使って手書きする
正直、こう言われた当時は、目からウロコでした。社会人は何にでもパソコンを使うべきだという先入観があり、パソコンは紙よりも優れているという思い込みもあったからです。
また、必ず鉛筆を使うのがポイントです。ボールペンで書き間違えたくないからといってA3用紙に書き込むのをためらっていたら本末転倒です。思考のプロセスなんて間違っていると感じたら何度でも書き直していいわけですから、鉛筆と消しゴムを用意して、思う存分好きなように頭の中で考えていることを紙に書き出してみてください。A3手書きで「考えること」はきっと、あなたのキャリアでも大きな強みになるはずです。
この一件でA3用紙に手書きをするようになってから、僕の考え方は大きく変わりました。もちろん今でも僕の思考はまず、A3に鉛筆で手書きからスタートします。まわりの人にもA3手書きをすすめていますが、一度手書きで物を考えるようになった人はみんな、「もういきなりパソコンに向かうなんて考えられない!」と口を揃えて言うほど、アウトプットの質も量もはっきり大きく変わるのです。