諸外国に後れを取る、わが国のワクチン接種

4月5日付、読売新聞朝刊からです。こちらによりますと、全国で実施した世論調査で、新型コロナウイルスのワクチン接種がアメリカなど他の先進国と比べて遅れていることに不満を感じている人は、「大いに」32%、「多少は」38%を合わせて70%に上ったということです。

Covid-19ワクチンによる注射の準備
写真=iStock.com/Ridofranz
※写真はイメージです

「イスラエルは全国民に2回接種を終えつつある」ということと、その効果か、同国では感染率が低下している経緯などを報道で聞くと、わが国が当初予定していた供給量をまかなえていない現実に、おかしいなあと思うのは人情です。

ですが。

某政党がワクチンの安全性に疑問を呈しながら、その勢いで、ワクチン接種が遅れている政府の対応の不備を揶揄する姿勢に、正直矛盾を感じたのは私だけではないはずです。だってワクチン接種が遅れたほうが、結果として危険性が高いものを遠ざけられるのですから。無論私はここで政府の対応を褒めようとしているわけでも、またワクチンの恐怖感を煽ろうとしているわけでもありません。私がただ面白いなあと思うのは、そんな「矛盾」だけなのであります。

世論についても矛盾を感じます。時事通信の3月の世論調査によると、ワクチン接種の機会が訪れたときの対応について、「しばらく様子を見る」が51.8%、「すぐ接種する」が41.9%。「接種しない」が5.7%、「分からない」が0.7%でした。

7割が「ワクチンの遅れに不満だ」といっているのに、5割は「打てるとしてもしばらく様子をみる」というのは、なんだか人間らしい話だと思えるのは私だけでしょうか。