コロナ禍を乗り越え、日常生活を取り戻すにはどうすればいいのか。医師の大和田潔氏は「テレビでは連日のように新型コロナの話題を取り上げ、視聴者に危機を煽り続け心をむしばんでいる。一番の処方箋は、まずテレビを消すことだ」という——。
テレビを見る少年
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「復活の季節」を迎えるために必要なこと

私たちは自分たちが感染しないことはもとより、コロナ感染症が急増することを防ぎ高齢者や社会、医療機関を守るために頑張ってきました。日本の対応は大きくは間違っていなかったと思っています(注1)

私たちには、警戒環境からまだ心にブレーキが残っています。ゴールの見えない長期間の自粛で疲れも出てきています。

終わってみたら季節性流行でしたので、本来であればインフルエンザのように簡易検査で済ませれば良いはずです。PCRに拘泥し、簡易検査の大量廃棄が伝えられています(注2)。もったいない話です。

私たちは、これから復活の季節を迎えます。そのためにもテレビが作る恐怖や不安を和らげ、心身ともに健康的に暮らしていける方法をお伝えしたいと思います。

世界で収束する陽性者数(アメリカと日本)
出所=wordometerより

日本の報道で語られることのない世界との比較です。被害が大きかったことで有名な米国と、日本を比べてみましょう。日本の数が少なすぎるので縦軸は数十倍も異なりますが、傾向はよく似ています。

対策や医療システム、民族も違うのに同じ流行形態というのは、ウイルスが全人類の前に自然現象として現れ、去っていっていることを示しています。各国で対策の濃淡があったにもかかわらず、人間は流行パターンそのものを変える力は有していなかったと思われます。

豊かでないアジアの国も総じて被害は少なく、死亡者ゼロの国もあります(注3)。このような事実についての報道はきわめて限定的です。日本やアジア・オセアニアでの流行が交差免疫で小さく終わった可能性については、これまでのコラムで考察してきました(注1)。どの国にも成功も失敗もなかったのです。