安倍元総理銃撃事件の背景にある「恨みの連鎖」
安倍晋三元総理を殺害した山上徹也被告の裁判員裁判で、1月21日、奈良地裁は求刑どおり無期懲役の判決を下した。被告側が控訴したため裁判はまだ続くが、この事件が明らかにした旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の問題について整理しておきたい。
山上被告の生い立ちは不幸の連続だった。父親は4歳のときに自殺して、その後、旧統一教会に入信した母親は家を売却してまで献金した。総額は1億円超と見られ、母は自己破産、兄は自殺してしまう。その怒りを山上被告は教団にぶつけようとしたが、コロナ禍で教会幹部の来日が実現せず、2022年7月、安倍元総理を代わりに銃撃した。この犯行に対し、奈良地裁は被告の生い立ちに不遇な面があったと認めつつ、そのことと犯行には飛躍があり、生い立ちの影響を大きく認めることはできないとした。
もちろん暴力という手段に訴えたことは非難されてしかるべきである。無期懲役が重すぎるという声もあるが、事の重大性を考えると致し方ない量刑だ。ただ、生い立ちの影響は大きくないという裁判所の評価には疑問が残る。
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(構成=村上 敬 写真=時事通信フォト)


