自分にはスキルがないと思いこんでいる人が多い

ビジネス職のなかには、自分自身では経験やスキルは特徴がないと思いこんでいる人がいます。しかし田中氏は「自分のキャリアを棚卸しして、個人としてできることを改めて認識することが、自身のキャリアを存分に活かすことにつながるのです」といいます。

最近では、キャリアの棚卸しをするために、キャリアコンサルタントへの相談機会、職業に関する適性検査などで新たな適性や強みを知ることができます。

オフィスでの商談
写真=iStock.com/takasuu
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また、そのような場でなくても、複数の友人や同僚に自分の得意分野や強みについて改めて機会を設けて聞いてみる、あるいは、紙に自分の今までのキャリアを振り返って、①自分が仕事で楽しいと感じたこと、②人に自慢したい経験、③今の仕事とは関係なくついてみたい職業などを書き出し、その内容をもとに友人や同僚に質問をしてもらうことも棚卸しにつながります。

さらに、そのような時間を意図的に持つことは、副業・兼業など新たなチャレンジを行う前準備にとどまらず、自己理解を深める大切な時間になるのではないでしょうか。

2035年「企業に所属する正社員」という生き方は消えるのか

2016年に厚生労働省が発表した「働き方の未来 2035」のなかでは、「企業に所属する正社員」という生き方は変革を迫られ、ミッションや目的が明確なプロジェクトに携わり、企業の内外を自在に移動する働き方が大きく増えていくことが指摘されています。

副業・兼業というと、収入の獲得ややりがいが得られることなどを理由として注目を浴びていますが、今後、変わりゆく雇用環境のなかを生き抜く上では、一人ひとりが自分の個性や能力を活かしながら、自立した働き方を考える良い機会になると考えます。

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