技術職以外の職種で、副業で稼ぐことができる人材とは?

では今後、副業・兼業の人材を受け入れる企業では、どんな職種を求めているのでしょうか。「技術職(エンジニア、IT関連)」(大企業36.4%、中小企業51.4%)が最も多く、次に多いのは、大企業では「製造」(32.8%)、中小企業では「営業職」(25.7%)となっています。

大企業に比べて中小企業では、「総務・人事・総務職」(大企業11.0%、中小企業20.3%)や「企画・管理職」(大企業9.2%、中小企業24.3%)などの管理系職種の人材も求めていますが、技術職に比べると、全体としてニーズが少ないことが分かります。

屋外で腕を組む、自信に満ちた日本人ビジネスマン
写真=iStock.com/NicolasMcComber
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中小企業であれば副業・兼業の仕事が見つけやすい傾向はあるものの、ビジネス職全体としては、受け入れ企業を見つけるのは容易ではない状況がうかがえます。

採用率は2割、ビジネス職でも副業ができる人は何が違うのか

では、実際にビジネス職のスキルはどこで活かすことができるのでしょうか。

パーソルイノベーションは、2019年6月17日より、副業人材マッチングサービス「lotsful(ロッツフル)」のサービス提供を開始しています。

同サービスが仲介している副業の特徴は、エンジニアやデザイナーといった職種は対象外で、営業や事業開発、マーケティング、バックオフィスなどビジネス職に限定していることです。

代表の田中みどり氏は、同サービスを始めた経緯をこう話します。

「以前は、副業・兼業に適した職種というと、エンジニア、デザイナーなどいわゆる専門職でないと業務の切り出しが難しかったため、ビジネス職での副業受け入れに手を挙げることに躊躇する企業が少なくありませんでした。しかし実際は、副業・兼業に挑戦したい個人は多く、企業側のプロジェクトベースでの人材採用ニーズも存在する。このギャップに気づき、サービスを立ち上げました」

同社では、サービス開始約1年後で、応募約1000件に対して、マッチング実施事例は約200件です。サービスを利用する主な社員年齢層は20代後半~40代で、マッチングが行われている業種の比率としては、事業開発、マーケティング、営業、経営企画、人事が各2割、広報、ファイナンスは1割程度です。